美容室に行った後のヘアスタイルはすごくよかったのに、翌日シャンプーをしてドライヤーをかけてみるとまったく印象の違う髪型になってしまっていた、なんてことはありませんか?綺麗に仕上がった理由として、美容室で使っているシャンプーやコンディショナーがいいものだから、また、トリートメントを頼んだからと思いますよね。
確かにそれもあるかもしれませんが、それよりも、もっと重要なのは仕上げのブローです。髪型がきちんと決まるのもブローをちゃんと行っているからなのです。美容室でシャンプーが終わってブローをしてもらった時に、もう髪は乾いているのにスタイリストさんがブラシを使いながらまだ一生懸命ドライヤーをかけていたのは、実は髪の形をつくっていたからなんですね。
ドライヤーを当てると熱で髪の毛が痛むのではないかと思いがちですが、正しいブローを行うのであれば、逆に綺麗に仕上がります。ブローをすると髪の表面にあるキューティクルがきゅっとしまって整うため、サラサラで指触りの綺麗な仕上がりになるのです。
キューティクルとはなにか、みなさんご存知でしょうか?
髪は三層構造になっていて、中心部がメデュラ、次にコルテックス、それらを包むようにウロコ状になったキューティクルで覆ってあります。このキューティクルが開いたままだったり、壊れてしまうと、内側のコルテックスからたんぱく質や水分が抜けてしまい、中身がスカスカになってしまうことで枝毛や切れ毛になってしまったり、髪の毛自体の艶がなくなってしまったり、全体的にパサついた状態になってしまうのです。
だから、髪の毛のキューティクルは大切なんですね。
ドライヤーも家庭用とは違うんです
また、美容室のドライヤーは業務用で、風速と風量がたくさん出るものを使用しています。そのためワット数も1200ワット以上で、家庭用のドライヤーは600から1200ワットが一般的です。ワット数が低いと風速と風量も弱いので、どうしても温度が高くなってしまい、それが髪を傷める原因になってしまいます。熱でキューティクルが傷んでしまうのです。
そのため、美容室で使っているドライヤーは髪を早く乾かすことができるので、髪のダメージも少なくすることができるのですね。
しかし、ただ漫然とスタイリストさんもドライヤーを当てているわけではなく、髪からドライヤーを離して、なるべく熱が一点に集中しないようにこまめに動かして乾かすようにしているそうです。ドライヤーを当てる前のタオルドライでも、ゴシゴシ髪に強い摩擦をかけてしまうと濡れて開いたキューティクルをはがしてしまう恐れがあるため、優しく水分を吸い取るようにしています。
それから、キューティクルは髪の根元から毛先にむかって重なり合うようにできているので、ドライヤーを当てるときは上の方向からかけるようにしているとか。
こういったことから、美容室では、髪の毛のことをよく知っていて、どういったことをすると髪にダメージを与えてしまうのか、またいい具合にできるのかといったことを理解していて、それにあわせた技術や道具を用意しているからこそ綺麗なヘアセットをつくることができるのですね。